展覧会<記憶風景を縫う─チリのアルピジェラと災禍の表現>開催のお知らせ

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展覧会<記憶風景を縫う─チリのアルピジェラと災禍の表現>

本展覧会では、南米チリの軍政期(1973〜1990年)に発達したタペストリー<アルピジェラ>と、戦争・紛争や災害の経験を描いた国内外の裁縫作品をともに展示します。展示は仙台、京都、長崎を巡回し、それぞれの土地で重ねられてきた経験や表現との対話をこころみます。布の上に描かれた記憶風景を媒介に、自身につながる経験と向き合う場をつくることが本展のねらいです。

 

長崎展:
2017年8月29日(火)〜9月3日(日)10:00-19:00(最終日は16時迄)
長崎県美術館 県民ギャラリーA室
長崎市出島町2-1
詳細はこちらをご覧ください>http://sendai.survivart.net/?p=501

 

京都展:
2017年7月1日(土)〜7月9日(日)11:00-18:00 ※終了しました
同志社大学寒梅館ギャラリー(寒梅館地下1階)
京都市上京区御所八幡町103

 

仙台展:
2017年5月30日(火)〜6月12日(月)11:00-19:00 ※終了しました
東京エレクトロンホール宮城 5階501展示室
仙台市青葉区国分町3-3-7

 

※全会場入場無料
※会期中、関連イベントあり

 

主催:「記憶風景を縫う」実行委員会
共催:東北学院大学地域共生推進機構、Survivart、Conflict Textiles
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団、公益財団法人長崎平和推進協会、
   平成29年度科学研究費補助金 若手(B)、東北学院大学平成28年度学長研究助成金

 

◎3会場合同チラシPDFデータ(2.7MB):
http://arpilleras.survivart.net/data/170516_arp.pdf.zip
AP_flyer610

 

◎アルピジェラとは
アルピジェラはチリの貧しい一般女性が古着や布の切れ端から作ったパッチワークです。アンデスの山々と貧困地区特有の光景を背景に、コミュニティの助け合いや、ピノチェト軍政下の人権侵害を訴える活動が描かれます。素朴な造形と日常生活になじんだ素材・技術を用いるアルピジェラの技法は、見る人の五感に深く訴えかけ、破壊的な経験との向き合い方について多くのことを考えさせるものとなっています。
また、共通の苦しみや困難を抱える人たちが集い、雑多な話をしながらそれぞれの経験を縫っていく営みは、女性たちに憩いの場をもたらし、日々を生きるための力も与えました。その様子は、東日本大震災後に被災地で見られた多くの活動と共振するものでもあります。
本展では、軍政期のチリで作られたアルピジェラ、およびアルピジェラと共鳴する国内外の裁縫作品、合計30数点を展示します。

 

■第一部 アルピジェラの技法 その特徴と力
貧困地区の日常風景、抑圧的な体制への抵抗、あるいは失った人への思いを描く作品を通じて、アルピジェラのエッセンスに触れます。

■第二部 アルピジェラにみる歴史の記憶
チリ現代史の記憶風景をアルピジェラを通じて見ていきます。

■第三部 戦禍・災禍にかかわる世界の裁縫作品
アルピジェラと共鳴する他国の裁縫作品を見ていきます。

■第四部 わたしたちの記憶風景
国内の震災・戦争経験にまつわる裁縫作品を通じて、
私たち自身にとっての記憶風景について考えます。

 

本展によせて|ロベルタ・バチチ (キュレーター)
アルピジェラと、そこに描かれた故郷の山々は、喋りの言葉とは異なるあり方で人びとの経験を伝える「縫われた言葉」となっていきました。(…)「生きられた」布切れの手触りが縫い合わされるとき、そこに痛みと生のしなやかさとを表現する一つの絵が浮かび上がるのです。
──「記憶風景を縫う」図録より

 


 

◎図録出版のお知らせ
「記憶風景を縫う」展開催に合わせ、30点以上の展示作品やその解説、またアルピジェラが制作された背景の解説などで構成された図録を出版します。アルピジェラについてのまとまった出版物としては国内初となります。ぜひ、会場でお買い求めください。定価1,500円(税込)。

【通販開始のおしらせ】
図録『記憶風景を縫う―チリのアルピジェラと災禍の表現』の通信販売を開始します!以下、1〜3の手順をご確認のうえ、購入を希望される方はお申込みください。

*図録内容詳細はこちら
https://www.facebook.com/arpilleras.jp/posts/473444762988913
 

 

<通販方法>

1)まずはメールにて、以下の情報をおしらせください。
メール件名:アルピジェラ図録購入希望
メール本文:
・郵便番号
・住所
・氏名
・電話番号
・購入希望冊数
・領収書が必要な場合はその旨と宛名
をお知らせください。

【メール送信先】
arpilleras(at)survivart.net
*(at)を@に変えて送信してください。

【料金】
一部の場合、定価1,500円(税込)+送料350円=1,850円
二部の場合、定価1,500円(税込)×2+送料400円=3,400円
三部の場合、定価1,500円(税込)×3+送料400円=4,900円

2)その後、以下の振込先までお振込をお願いいたします。
※振込手数料はお客様のご負担にてお願いいたします。

【お振込先】
七十七銀行 泉支店 普通 5014776
「記憶風景を縫う」実行委員会 代表 渡邊朋子
(キオクフウケイヲヌウ ジツコウイインカイ ダイヒョウ ワタナベトモコ)

3)こちらでお振込が確認でき次第、発送いたします。

 


 

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京都展 関連イベント
*全て参加無料、予約不要
*会場はいずれも同志社大学寒梅館ギャラリー(寒梅館地下1階)
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◎ガイドツアー
7月1日(土)、2日(日)各日14時〜
7月5日(水)、6日(木)、7日(金)各日17時〜
7月8日(土)、9日(日)各日15時〜
実行委員会スタッフが、いくつかの展示作品を取り上げ、その背景や魅力を解説します。

 
 

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仙台展 関連イベント
*全て参加無料、ワークショップ以外予約不要
*会場はいずれも東京エレクトロンホール宮城 5階展示室
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◎オープニングレセプション&ガイドツアー

5月30日(火)13時〜
開展のご挨拶の後、ゲスト・キュレーターのロベルタ・バチチ氏が、アルピジェラの特徴や背景の物語について解説します。

 

◎ガイドツアー
6月8日(木)15時〜、10日(土)14時〜
展示スタッフをつとめる東北学院大学教養学部の学生が、いくつかの作品を取り上げ、その背景や魅力を解説します。

 

◎ワークショップ 「アルピジェラをつくってみよう」
6月3日(土)10〜12時、要予約
参加条件:小学5年生以上
持ち物:不要。使い慣れた裁縫道具、古着や思い入れのある布地・小物などが
あればご持参ください。
※「記憶風景を縫う」実行委員会のメールアドレス まで、参加者名、人数、連絡先を明記のうえ、メールを送信してください。
送信先:arpilleras(at)survivart.net*(at)を@に変えて送信してください。

アルピジェラ製作にあなたも触れてみませんか。裁縫下手でも大丈夫。みんなでおしゃべりしながら人形や家々を縫っていきましょう。

 

◎シンポジウム 「記憶を縫う、表現をうたう」
6月3日(土)14〜17時
登壇者:ロベルタ・バチチ(キュレーター)
コメンテーター:高橋正明(東京外国語大学名誉教授)
郭基煥 (東北学院大学教授)
チリ出身の人権活動家であり、アルピジェラ研究者でもある本展ゲスト・キュレーターが、変わりゆく記憶のあり方とその表現について、また政治行動や社会行動のオルタナティブな形について、アルピジェラを手がかりに考察します。その後、チリ近現代史、およびマイノリティの社会経験についてそれぞれ研究を行ってきた2名のコメンテーターをまじえたディスカッションがあります。

 

◎トーク「東日本大震災と手仕事」
6月9日(金)19〜20時30分
足立千佳子(編んだもんだらプロデューサー)
東日本大震災により被災した女性たちの人権の尊重、コミュニティの形成、暮らしの再建となるツールとして生まれた、アクリル100%の手編みエコタワシ「編んだもんだら」。プロジェクトの中心的役割を担う足立千佳子氏を招き、事の起こりからこれまでの活動について、お話しいただきます。

 

※長崎展でも関連イベント開催予定です。

 


 

◎仙台展関連イベント登壇者プロフィール

足立千佳子(あだち・ちかこ)
まちづくりプランナーとして全国各地の地域づくりに携わる。 東日本大震災後は地元宮城の復旧・復興活動に奔走。津波被害のあった宮城県北部沿岸地域の女性たちとともに、オリジナルデザインのエコたわし「編んだもんだら」の製作・販売を展開している。

 

郭基煥(かく・きかん)
1967年、愛知県生まれ。東北学院大学教授。専門は差別論、現象学的社会学。主著に『差別と抵抗の現象学―在日朝鮮人の“経験”を基点に』(新泉社、2006年)。

 

高橋正明(たかはし・まさあき)
1945年、東京都生まれ。東京外国語大学名誉教授。ラテンアメリカ現代史専攻。主著に、民政移管前夜のチリ各地の様子を記録したルポルタージュ『チリ・嵐にざわめく民衆の木よ』(写真家の小松健一との共著、大月書店、1990年)。

 

ロベルタ・バチチ(Roberta Bacic)
1949年、チリ・サンティアゴ生まれ。研究者・人権活動家。英領北アイルランド在住。これまでに、ニューヨーク国連プラザ(米国)、チリ大使館(英国)、ゲルニカ平和博物館(スペイン)、ラテンアメリカ記念館(ブラジル)など世界各地で大小100以上のアルピジェラ展をキュレートしている。

 

◎「記憶風景を縫う」実行委員会プロフィール
2016 年4月より本展に向けて組織、活動開始。仙台では、2016年6月〜2017年1月にかけて、 チリの文化・政治状況、被災地の手仕事活動、および裁縫を通じた社会支援や政治行動などをテーマに月1回の公開勉強会を開催しました。同時に国内外の個人・団体と協力しながら、政治暴力や人災・天災の記憶の継承と表現について考え、本展覧会を準備してきています。

 

酒井朋子(さかい・ともこ)
1978年、北海道生まれ。東北学院大学教養学部准教授。専門は人類学、記憶研究。主著に『紛争という日常-北アイルランドにおける記憶と語りの民族誌』(人文書院、2015年)。実行委員代表。

 

長内綾子(おさない・あやこ)
1976年、北海道生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。2004年、Survivart(サバイバート)設立。2011年11月、震災を機に仙台へ移住し、ビジネスと文化の両方の現場でキュレーションなどを行っている。

 

高橋創一(たかはし・そういち)
1986年、宮城県気仙沼市生まれ。編集、ライター、その他。文化施設や企業、NPO法人などの広報物や報告書、書籍の編集、構成を主に手掛ける。

 

宮本直規(みやもと・なおき)
1971年、東京都生まれ。東北学院大学教養学部講師。専門はフランス語学。

 

[京都展 実行委員]
尹慧瑛(ゆん・へよん)
1973年、東京都生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部准教授。専門は社会学、エスニシティ論。主著に『暴力と和解のあいだ-北アイルランド紛争を生きる人びと』(法政大学出版局、2007年)。

 

[長崎展 実行委員]
友澤悠季(ともざわ・ゆうき)
1980年、神奈川県生まれ。長崎大学環境科学部准教授。専門は、環境社会学、公害・環境思想史。主著に『「問い」としての公害-環境社会学者・飯島伸子の思索』(勁草書房、2014年)。

 

◎お問い合わせ
「記憶風景を縫う」実行委員会
TEL:022-773-3322(酒井)
E-mail:arpilleras(at)survivart.net
*(at)を@に変えて送信してください。
Facebook:http://www.facebook.com/arpilleras.jp/

 

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