11月19日(土)開催 <記憶風景を縫う>第6回勉強会 「震災を縫う。記憶風景を縫う。」

dsc08174_610
<「みんなのたからもの」ししゅう高田松原プロジェクト>
2016年6月に開催された陸前高田 箱根山気仙左官大工伝承館での展示風景より

 

1973年以降のピノチェト独裁政権下のチリで、政治弾圧で家族を失ったり、貧困に苦しむ女性たちが、自分たちの日常生活をモチーフに作成したキルト<アルピジェラ>。2000年代より、紛争や自然災害・人工災害を経験した世界の各地で展示や制作の活動が広がっています。
この<アルピジェラ>を手掛かりに、東日本大震災に起因する津波や原発事故と放射能汚染を経験した東北において、惨禍の記憶と表現について考え、伝えるために私たちはこのプロジェクトを立ち上げました。
<アルピジェラ>とその関連領域に関する勉強会やディスカッション、ワークショップを開催し、2016年度末には展覧会という形で成果を発表する予定です。また、2017年度には全国各地への巡回展を行い、各地でのイベントの様子やフィードバックを含む形で、再度東北で展覧会を開催、その成果を印刷物にまとめることも検討しています。
キルトを契機とした多様な思考の実践を通して、被災地における記憶の継承と表現や活動について、多くの方々と学び共有する機会となればと考えています。

 

<記憶風景を縫う>第6回勉強会

「震災を縫う。記憶風景を縫う。」

日 時:2016年11月19日(土)13:00~15:00
会 場:全部・穴・会館<ホール>(仙台市青葉区大手町3-2)
仙台市営地下鉄東西線[大町西公園駅]徒歩5分
講 師:天野寛子(フリー刺繍画家/昭和女子大学名誉教授)
参加費:500円(資料代+お茶付き)、予約優先
予 約:メールにて氏名と人数をお知らせください。
Email:arpilleras(at)survivart.net *(at)を@に変えて送信してください
定 員:20名

「奇跡の一本松」で知られる陸前高田の高田松原。その風景を表現した刺繍作品を国内外から募り展示する「みんなのたからもの ししゅう高田松原プロジェクト」では、これまで730点を超える作品が集まり、全国各地で展示が行われてきました。今回の勉強会では、このプロジェクトの発起人でフリー刺繍作家としても活躍する天野寛子氏をお招きし、プロジェクトの経緯や刺繍という身近な手仕事と被災経験の関係について伺います。また、震災後に新聞の写真スクラップをもとに制作したご自身の刺繍作品「東日本大震災」シリーズについても、お話いただく予定です。

天野寛子|あまの・ひろこ
フリー刺繍画家。昭和女子大学名誉教授。家族福祉・生活文化研究所代表。1940年生。三重県出身。1963年、昭和女子大学生活科学科卒業。東日本大震災後、「みんなのたからもの」ししゅう高田松原プロジェクト主催。主な著書に『戦後日本の女性農業者の地位―男女平等の生活文化の創造へ』(ドメス出版、2001、日本生活学会今和次郎賞、山川菊栄賞受賞)、『天野寛子フリー刺繍画集—繋ぐ』(ドメス出版)などがある。
また、フリー刺繍作品「東日本大震災」シリーズは全国各地で展示開催のほか、「第8回ウラジオストク・ビエンナーレ 国際ビジュアル・アート・フェスティバル 2013」(ロシア)に出品し好評を博した。シリーズは、現在も年に一作品のペースで制作を続けている。
http://www.k4.dion.ne.jp/~h_amano/

 

amano_shinsai2_610
天野寛子『東日本大震災 ② ──祈り』横59.5 × 縦46.5 cm, 2011

 

作品引用資料と作者コメント:

  • 宮城県石巻市立大川小学校児童74人教員10人の合同供養式(2011.4.28 朝日NP)
    大川小学校の悲劇には、何も言うべき言葉が見つからない。
  • 震災から1ヵ月岩手県宮古市海に向かって黙祷を捧げる第28分団(2011.4.28 朝日NP)
    多くの消防団員が殉職した。地震のとき、彼らは海の方へ走った。堤防の水門を閉めるために。
  • 大津波被害のあった沿岸地図
  • 岩手県山田町、雪が舞う中、海に向かって祈りを捧げる僧侶(2011.4.5 朝日NP)
  • 岩手県陸前高田市、佐々木瑠璃さん(17)は瓦礫の中から探し出したトランペットを吹いた。亡き母と祖母、行方不明の祖父に届くことを祈って。(2011.4.12 朝日NP))
  • ワシントン大聖堂で日本のための祈り(2011.4.13 朝日NP)
    世界の宗教の代表者たちが、大聖堂で日本のために祈りを捧げた。ここで宮澤賢治の「雨にも負けず」が朗読された。
  • 宮城県石巻市鮫浦湾海上保安庁潜水士による行方不明者の捜索(2011 朝日NP)
  • 福島第1原発 30キロ圏
  • 岩手県陸前高田市高田松原の7万本の松林のなかで1本だけ残った「奇跡の1本松」
    しかし、その後この松は枯れ、人工の松が設置された 2013)

 

主催:「記憶風景を縫う」実行委員会
共催:東北学院大学地域共生推進機構、Survivart

◎今後の勉強会開催予定
第7回:12月17日(土)15:00-17:00
講師:金谷美和(国立民族学博物館外来研究員)

 

◎「記憶風景を縫う」実行委員会のFacebookページを開設しました。
https://www.facebook.com/arpilleras.jp/

コメントは受け付けていません。