<記憶風景を縫う>第5回勉強会 「日本のチリ人民連帯運動とアルピジェラ」

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大島博光記念館蔵のアルピジェラ「ピサグアでの政治囚 Prisoners of War in Pisagua
独裁体制期、政治囚らを収監していた収容所のひとつがピサグア。そこでの囚人の処刑の様子を描いている。

 

1973年以降のピノチェト独裁政権下のチリで、政治弾圧で家族を失ったり、貧困に苦しむ女性たちが、自分たちの日常生活をモチーフに作成したキルト<アルピジェラ>。2000年代より、紛争や自然災害・人工災害を経験した世界の各地で展示や制作の活動が広がっています。
この<アルピジェラ>を手掛かりに、東日本大震災に起因する津波や原発事故と放射能汚染を経験した東北において、惨禍の記憶と表現について考え、伝えるために私たちはこのプロジェクトを立ち上げました。
<アルピジェラ>とその関連領域に関する勉強会やディスカッション、ワークショップを開催し、2016年度末には展覧会という形で成果を発表する予定です。また、2017年度には全国各地への巡回展を行い、各地でのイベントの様子やフィードバックを含む形で、再度東北で展覧会を開催、その成果を印刷物にまとめることも検討しています。
キルトを契機とした多様な思考の実践を通して、被災地における記憶の継承と表現や活動について、多くの方々と学び共有する機会となればと考えています。

 

<記憶風景を縫う>第5回勉強会

「日本のチリ人民連帯運動とアルピジェラ」

日 時:2016年10月1日(土)16:00〜18:00
会 場:bdbdbd(仙台市青葉区本町3-2-2 カワムラビル3F)
仙台市営地下鉄南北線[勾当台公園駅]徒歩3分
*会場は<ホール>ではございませんのでご注意ください。
講 師:大島朋光(大島博光記念館・館長)
参加費:500円(資料代+お茶付き)、予約優先
予 約:メールにて氏名と人数をお知らせください。
Email:arpilleras(at)survivart.net *(at)を@に変えて送信してください
定 員:20名

1973年、ピノチェトの軍事クーデターで血の弾圧が始まると、世界中でチリ人民連帯の運動が起りました。日本では1974年2月にチリ人民連帯日本委員会が結成され、アジェンデ未亡人歓迎集会やチリのバンドの全国公演など多彩な活動が起こり、アルピジェラを輸入し販売・普及することも運動の一環として行われました。
大島博光記念館に保管されていた110点余りのアルピジェラはロベルタ・バシック氏(チリ出身の人権活動家兼キュレーター)と酒井朋子氏(東北学院大学准教授、「記憶風景を縫う」実行委員)により2013年に発掘され、以後、記念館でも展覧会や関連レクチャーが開催されています。今回の勉強会では、記念館にアルピジェラが寄贈された経緯や当時の日本での連帯運動について伺います。
*終了後、二次会を行う予定です(実費)。希望者は当日受付時におしらせください。

 

大島朋光|おおしま・ともみつ
大島博光記念館・館長、市川市民診療所(千葉県)所長
1946年、長野県生まれ。横浜国立大学経済学部、千葉大学医学部卒業。2008年、大島博光記念館創設。「なんとかなるさ」は親譲り。
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/

 

主催:「記憶風景を縫う」実行委員会
共催:東北学院大学地域共生推進機構、Survivart

◎今後の勉強会開催予定
第6回:11月19日(土)13:00-15:00
講師:天野寛子(フリー刺繍作者/昭和女子大学名誉教授)

第7回:12月17日(土)15:00-17:00
講師:金谷美和(国立民族学博物館外来研究員)

 

◎「記憶風景を縫う」実行委員会のFacebookページを開設しました。
https://www.facebook.com/arpilleras.jp/

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