2012.01.27 レポート
◎プレイベント第一弾 田村友一郎 作品上映+トーク(二夜目)
2012 年1月27日(金)19:00-21:00
ゲスト:藤井光(美術家)
田村友一郎さんの作品を解体するかのような一夜でした。前半は、第14回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞した「NIGHT LESS」の上映と、制作の動機や方法、作品のコンセプトレイヤーなどを伺い、お客さんやゲストの藤井光さんからどんどん質問。
「NIGHT LESS」は…
- 画をさきにつなぎ、その後ストーリー(台詞)を作っている。
- 姉妹都市というのが一つの要素(画をつなぐ動機)として使われており、横浜の姉妹都市をたどって一周してまた横浜に戻ってくる。
- 定期的に増殖していく作品なので、今後もっと長くなっていくかもしれない。その際には、その時の自分が関心のあることが要素として加わるだろう。
- 小中学校の頃、土曜に午前の授業で学校が終わって家に帰ると、昼下がりにテレビでやっていた海外映画をぼーっと見ていた感覚に近いと思っている。内容はほとんど覚えていないけど、気がついたら2時間見てしまった、というような。
- 映像そのものの強さは信じているが、どこに限界があるのかを試してみたい。なので、修了制作展のときは、ただの映像スクリーニングではなく、キャデラックの中から映像を観るというインスタレーションで展示した。
- そのキャデラックは借り物で、車に乗るとタバコや芳香剤のにおいがした。強い映像体験というのは、常にそういった知覚とセットになっているのではないか。(中学生の頃の、「紅の豚」を観た後に町の不良にカツアゲされた体験から)
続いて、TWSでの滞在制作で作られた作品「this world is continuous or not? / この世界はひとつづきか、否か?」を鑑賞。こちらに詳細がでてますので、参考に。
http://teresuco.com/2011/06/te-report/
後半は、藤井光さんと田村さんで、互いの映像制作におけるつくり方の違い、接続先の違い、といったあたりを、この日午前に「せんだい演劇工房10-BOX」で行われた田村さんの新作映像のためのパフォーマンスを引き合いに出しつつ、話し合いました。
芸術生産と共同体/社会/政治とはどのように関係するのかに関心を持つ藤井さんからは、ローカル/中央/搾取構造などのキーワードが語られ、一瞬背筋がのびそうになりましたが、そういった言葉をあまり感知することなく関係を築いて作品制作を行っているという田村さん。逆に、藤井さんは怪しい人に見られて大変では?という話しも出たりして。。。笑
この日の仙台は本当に冷え込み、凍結した路面で転んでしまって来られなくなった方も。
そんな夜に、映像にまつわる二人のアーティストの話をゆっくり聞くことができ、贅沢な時間でした。
おまけ)
田村さんが会いに行った日本のボディビル創始者の方の言葉
「生きるってことはね、抵抗のエクササイズなんだよ!」
これに藤井さんは思わず萌えたそう。笑